1×2×3=6次産業化と地産地消を考える~高付加価値ってなんだろう

サツマイモ

音更町の「ハピオ」に買い物に行きました。ここの商品は十勝のものが多く、高品質なのでわりとお気に入りです。道路の混雑さえなければもっと頻繁に行くのですが、まぁこればかりは致し方ありません。

店内に入ると、高校生が自分たちで作った「サツマイモのカタラーナ」を売っていました。

音更町産のサツマイモを使ったカタラーナ

帯広南商業高校のクッキング部の生徒さんが、音更町産のサツマイモを使ってカタラーナを作って売っていたんですね。試食させてもらったのですが、濃厚でクリーミーな美味しいカタラーナで、さっそく1つ購入してきました。

最近の産業政策では、しばしば「6次産業化」というキーワードが出てきます。1次産業=生産、2次産業=加工、3次産業=流通(販売)という産業構造において、それぞれが独立して活動するのではなく、1つの事業者が生産から販売までを総合的・一体的に行うというものです。

北海道のホームページより

単に生産だけ、加工だけ、販売だけを独立して行うよりも、その生産物の特性を理解している事業者が加工を行うことで、その特性を十分活かせること、生産と加工を行った事業者が販売までも行うことで、商品の魅力をさらに伝えることができることから、商品の付加価値が高くなるという考え方です。

そして、流通コストや品質の低下を防ぐという点での「フードマイレージ」を考える上では、その土地で生産された作物をその土地で消費するという「地産地消」も、食の安全も含めて非常に重要なことです。ハピオが優れているのは、その点が徹底されていることにもあります。

その意味においては、音更町で生産されたサツマイモ(サツマイモの食材としての優秀さに注目が集まっているというタイムリーさもここでは重要かなと思います)を、帯広の高校生たちが商品化のアイデアを出して加工し、実際に販売にも携わるというのは、今後の十勝の産業を考えていく上で、とても有効な活動かもしれないですね。

ただ6次産業化すればいいというものではなく、生産・加工・流通のそれぞれの過程の品質を上げていくもとも重要です。6次産業というのは「1(次産業)×2(次産業)×3(次産業)」で6というのがそのネーミングの由来ですが、相乗(掛け算)であるということも非常に重要です。1、2、3のどこかの工程で十分なパフォーマンスを発揮できなければ、6にはならないからです。1×1.8×2.9だと6にはならないですよね。こういった取組みは補助金の対象になることがあり、当事務所もそのご相談を受けることがありますが、まずはその工程をきちんとできるかどうかを検証することが必要であることはお伝えしています。

もちろん今回のカタラーナは「自分が作った食品を自分で売り、食べた人の美味しい顔が見たい」という動機なのかもしれませんが、パッケージにはきちんと「音更町産」「帯広南商業クッキング部」という付加価値のアピールがありましたし、売っている現場には制服を着た高校生たちが販売活動をしていました。それがあるとやっぱり「お、買ってみようかな」ということになりますよね。

ということで、今日のデザートはカタラーナでした。

え?カロリー?「サツマイモは野菜だから0」理論です。

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